「駐車場」とテナント、貸店舗の選び方とあり方について 

■飲食店や小売店の駐車場のあり方

飲食店や小売店などのテナント選びで重要なのは立地やテナントの広さだけではありません。来店するお客さまのことを考えれば「駐車場」も重要ではないでしょうか。お店を経営したら成功したいと思うのは当然のこと。
そこには貸店舗選びも重要なんです。
駐車場がある・なしで商売が成功するかどうか左右します。駅から近いからと言って、お客さまが全員電車や徒歩で来るとは限りません。車で行きたいという方も多いはずです。駐車場がない、もしくは少ない場合「駐車場がないから・・・」「いつも停められないから・・・」との理由で来店を断念してしまう方は結構いらっしゃいます。市街地では駐車場を確保するのが難しいからと、あえて広い駐車スペースを確保できる郊外にお店を構える場合もあります。

十分な駐車場をと考える際にまず検証するのであれば、商品単価と客数の設定がポイントになります。まずは売上。
売上については「商品単価×来客数」で計算します。
一日に何人来店し、商品を販売すれば利益を確保することができるか明確にできます。次ぎに回転率を考えます。
回転率については「一日の総客数÷店舗の総席数」で計算することができます。
飲食店であれば昼時、夕食時など一番来客数が多い時間帯をあらかじめ予想できます。営業時間帯ごとの来客見込み数をあらかじめ予測しながら必要な駐車スペースを考えることが大切です。ただ、駅前に出店希望の場合は、すぐ近くにコインパーキングがあるかを確認しましょう。駅前に駐車場を用意するのは困難な場合が多いのですが、コインパーキングが近くにあれば問題ありません。コインパーキングについても、車が何台駐車できるかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。

 
■物的などの商品提供のないサービス業における駐車場のあり方

物的などの商品をお客さまに提供するサービス業については、飲食店や雑貨店などとは駐車場のあり方に違いがあります。店舗を構えたとしても、そこにお客さまが来店しないとの形態であれば、お客さま用の駐車スペースを確保する必要はありません。ただ、そこで働く従業員のための駐車スペースは最低限考える必要があります。従業員の駐車スペースであれば、仮に貸店舗に駐車スペースがなくても、近くに借りることのできる駐車場があれば問題ありません。物的などの商品提供のないサービス業の中には、商品自体は提供しないけれど来客がある事業種もあります。その場合は、一日に来店するお客さまの数をあらかじめ予測し、駐車スペースを設ける必要があります。
総合的に考えると、物的などの商品提供のないサービス業における駐車場のあり方は、「従業員数+α」を考えるのが一番良いのではないでしょうか。

 
■まとめ

貸店舗を選ぶ際には駐車場のこともしっかり考える必要があります。
店舗だけで決めてしまうと、後々不便と感じてしまったり、売上を左右されてしまうかもしれません。今回紹介した「駐車場のあり方」はあくまで一例です。
車で来店するお客さまを見込んでいないという飲食店や小売店だってたくさんあります。特に都心では車を所有せず電車移動を中心に生活されている家庭もたくさんあります。その土地、地域に住む人の生活スタイルを考えることも大切です。
ただ、基本的に駐車場があることを前提にお客さまが来店することも多々あります。それを考慮して駐車場のあり方をしっかりと考えてから貸店舗選びをしましょう。大切なのは素敵な店舗にできるかどうかではなく、お客さまが来店しやすいかどうかです。もちろん、内装も重要ではありますが、来店するお客さまにストレスを与えないことが最も重要です。「十分な駐車場があるかどうかで売上を左右する」ことを頭に入れて、後悔のない貸店舗選びをしましょう。

飲食店の店舗を探すならまずは必要な手続きを確認しておこう 

■飲食店開業に必要な手続きとは

飲食店を開業する前に、もしくは開業後に必ずやらなくてはならない手続きがあることをご存知でしょうか。
まず必ず届出が必要なのが「食品営業許可」です。
こでは保健所に申請するもので、店舗完成の10日程度前までに申請しなくてはなりません。
食品営業許可以外にも飲食店の営業形態により他にも届出が必要なものがありますので紹介して行きたいと思います。

1.防火管理者選任届(消防署)
店舗もしくは建物全体の収容人数が30人以上の場合に必要なもので、営業開始までに申請しなくてはなりません。

2.防火対象設備使用開始届(消防署)
建物やその一部を新たに使用する場合に必要なもので、使用開始7日前までに申請します。

3.火を使用する設備等の設置届(消防署)
火を使用する設備を設置する場合に必要で、設備設置前までに申請します。
飲食店の場合、火を使用することが多いので、必ず必要な申請だと考えて良いでしょう。

4.個人事業の開廃業等届出書(税務署)
個人で飲食店を開業する場合に必ず必要な申請です。
開業して1ヶ月以内に申請する決まりとなっています。

5.深夜における酒類提供飲食営業開始届出書(警察署)
酒類を提供する飲食店の中で、午前0時~日の出まで営業する予定であれば申請が必要です。
営業開始10日前までに申請します。

6.風俗営業許可(警察署)
お客を接待しながら飲食させる場合や、照度が10ルクス以下の場合、5平方メートル以下で他から見渡せない客席がある場合に申請が必要です。
認可が下りるまで数ヶ月かかることがあるので、早めに申請しましょう。

他にも、従業員を雇う場合に必要な手続きが以下になります。

・労災保険の加入手続き(労働基準監督署)
・雇用保険の加入手続き(公共職業安定所)
・社会保険の加入手続き(日本年金機構)※法人の場合は必須ですが、個人の場合は任意になります。

 
■飲食店開業に必要な資格とは

飲食店を開業するために必要な資格があります。
各店舗ごとにこれから紹介する資格を持った人を置く必要があることを覚えておきましょう。

1.食品衛生責任者

こちらの資格を取得先は、都道府県または保健所政令市の食品衛生協会です。
必ず必要となる資格です。

2.防火管理者

こちらの資格は、店舗または建物全体の収容人数が30人以上の場合に必要です。
該当しなければ必要ありません。
この資格の取得先は、主に各地の消防本部です。

飲食店を開業するのだから「調理師免許」が必要なのではないかと思う方は多いと思います。
しかし、飲食店の開業には調理師免許はなくても大丈夫です。
調理師免許がなくても、お客様に料理を作って提供しても特に問題はありません。

以上が飲食店開業に必要な資格です。
先程紹介しました飲食店開業に必要な手続きに、上記の資格がなければ申請できない場合もありますので注意が必要です。

 
■まとめ

飲食店を開業するにあたり許可や資格を取得しなければ、食品衛生法違反となり法律で罰せられてしまいます。
2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられるので注意しましょう。
また、許可や資格を取得するのを忘れてしまったり遅れてしまうと、スムーズに開業することができずに余計な費用が発生する可能性があります。
申請を怠ると厳しい罰則がありますので、しっかりと資格取得&申請をするように心がけましょう。
また、資格を取得するためには、講習を受講したり日程が限定されてしまっていたりします。
希望通りにスムーズに資格取得ができない場合もありますので、余裕を持って計画的に資格取得をおこないましょう。
許可申請に関しても、自分で申請するのが難しいと感じたら、行政書士など専門家に依頼することも考えましょう。
飲食店開業は色々と忙しいと思います。
その中で専門家を頼ることもスムーズに開業するポイントになるかもしれません。