店舗や貸事務所が決まったら内装や外装の工事を決めよう

■雰囲気をイメージして依頼会社を決める

店舗や貸事務所が決まったら、次は内装や外装工事を決めなくてはなりません。
内装・外装工事は、お店の雰囲気を決めるとても大切なものです。
内外装工事業者はたくさんあるのですが、それぞれ得意分野があります。
依頼する業者を間違ってしまうと、イメージと違ったものになってしまうので注意が必要です。
内外装業者には得意分野はもちろん、業務内容や価格なども異なります。
そのため業種や物件の規模、施工内容、そして予算に合った適切な業者を選ぶ必要があります。
では、一般的にどのような内外装業者があるのかを種類別に紹介していきたいと思います。

【内外装業者の種類】

1.設計&施工を自社で行う業者

設計から施工まで自社でする内外装業者は工事までの流れがスムーズです。
予算に応じて工事内容を提案してくれますし、希望に応じて設計を変更してくれるなど柔軟に対応してくれます。
一方でデザイン性は高いとは言えません。
デザイン専門のスタッフ(デザイナー)が在籍していることがほぼ無いため、高度なデザインは不可能です。
また、実際の工事に関しては外注により職人さんを手配するので工事費用が高くなる可能性があります。

2.工務店(施工メイン)

工務店はデザインに力を入れていないのが一般的です。
そのため、発注者がどのような雰囲気にしたいのか、またどのような工事をしたいのかを明確にしておく必要があります。
工事に関しては直接依頼となるため、価格が安いのは魅力です。
現場対応力に優れているので各所の仕上がりは期待できるのですが、
どうしても設計力や提案力に頼りない部分があると言えるでしょう。

3.デザイン&設計事務所

デザインや設計を中心に行っているデザイン&設計事務所は、デザイン性や提案力が非常に高いと言えるでしょう。
ただ、デザインと設計を中心に行っているため、施工は別会社に依頼することになります。
内装・外装を今までにない斬新なデザインにしたいという方にはおすすめですが、どうしても費用が高くなってしまいます。
施工費用とデザイン費用が別々になるため、それを理解した上で依頼する必要があります。

このように、内外装業者の種類は主に3つです。
雰囲気をイメージして依頼会社を決めることも大切ですが、予算を事前に決めておくことも大切です。
雰囲気をイメージできたら、1つの業者でなくいくつかの業者に行ってみるのも良いかもしれません。

■コストを考えよう

内装工事や外装工事にはそれなりの費用がかかります。
どれだけ費用がかかってもいいから、イメージ通りに仕上げたいという方は少ないのではないでしょうか。
これから開業するために必要な設備もあるでしょうし、仕入れに必要な費用もあるでしょう。
そのため、内装工事や外装工事にかけていいコストをしっかり考えなくてはなりません。
ある程度コストが決まっていないと、業者に工事を依頼することができないものです。
あらかじめ予算を伝えることで、それを目安に業者は見積もりを出してくれます。
最初にコストを決めておくことは、工事をスムーズに進めていくために必要不可欠です。

まず、内装工事には店内や事務所の雰囲気作りだけでなく、さまざまなことに費用がかかります。
床、壁、天井の他、電気工事、水道工事、ガス工事など設備の工事費用も考えなくてはなりません。
設備工事の費用に関してはどの程度かかるのか、相場を調べる必要があります。
相場を知らずにコストを考えても意味がありません。
設備工事は意外と費用がかかってしまうこともあるので、まずは見積依頼をしても良いかもしれません。
店舗や事務所に最初から設備が整っている場合は、それをそのまま利用することができるのかも考えましょう。

内装工事に関して、平均坪単価は47.8万円だと言われています。
もちろん、それはあくまで平均であり、業種や物件によって大きく異なります。
坪単価10万円代の場合もあれば、平均よりも高い場合もあります。
店舗や事務所の内外装工事は全てオーダーメイドです。
居抜きでほぼ手をかけずに出店できる場合を除けば、全て自分で決める必要があります。
内外装工事にかけられる総工事費を算出し、どこにいくらかけるかを考えてから業者に相談することが大切です。

■まとめ

借りる店舗や事務所が決まってからが本番です。
内装や外装の雰囲気やイメージ、
そしてそれにかける費用をしっかり考えることは大変かもしれませんが、
それが一番重要なことではないでしょうか。
開業までの時間も考えなくてはなりませんので、
よりスピーディーにそして抜かりなく工事が進むように計画を立てていきましょう。

飲食貸店舗で重要な防災設備のこと

■避難誘導について

飲食店を開業するのであれば、消防に関する知識や設備が必要です。
飲食店には多くの人が集まるため、万が一火災が起こった時にどうすれば良いかをしっかりと頭に入れておく必要があります。
仮に飲食店の営業中に火災が起こったとしたら、お客様が食事をしていたとしたら、素早く適切にお客様を避難誘導しなくてはなりません。
避難誘導を適切に行うには「避難設備」を準備しておく必要があります。
避難設備は、火災をはじめ、災害発生時に人が避難するために使用する設備です。
避難器具、誘導灯、標識の3つを総合して避難設備と呼んでいます。
建物に設置されている階段で避難できない場合に避難器具は使用されます。
避難器具には、避難はしごや救助袋、避難ロープや避難タラップというようにいくつかの種類があります。
誘導灯、そして標識は店内に居るお客様やスタッフに避難経路を知らせるためのものです。
まずは店内に居るお客様を安全に避難させるために設備をしっかり整えておかなくてはなりません。
これを怠ってしまうと、いざという時に避難誘導ができずに大きな事故に繋がる恐れがあります。
飲食店は「火」を使う場所です。
だからこそ、より万全の対策が必要ではないでしょうか。
また、お店が大きく、店内の収容人数が30人以上の飲食店の場合は、防火管理者の資格が必要です。
資格を取得するためには「防火管理講習」を修了する必要があります。
飲食店の火災被害を防止するための責任者として、知識をしっかり頭に入れておきましょう。

■消火器の設置について

仮に店舗内にて火災が発生した場合に火を鎮圧するために必要なのが消火器です。
2019年10月1日より、調理を目的とした火を使用する設備又は器具を設けてある全ての飲食店において、
消火器の設置と点検・報告が義務化されます。
火を使用する設備や器具の設置がない場合や、
調理油過熱防止装置、自動消火装置などが備わっており、防火上有効な措置をしたものである場合は、消火器の設置は義務ではなくなります。
飲食店において消火器の設置が義務付けられた理由に2016年12月22日に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災があります。
それまでは消火器の設置は150平方メートル以上の飲食店にのみ義務化されていましたが、2019年10月1日からは全ての飲食店に義務化されます。
消火器は、消化設備の最低限の設備と言っていいでしょう。
他にも、消化設備にはさまざまなものがあります。
「動力消防ポンプ」や「スプリンクラー」は、消火器では対応不可な規模の火災に対応するための消化設備です。
飲食店だけでなく、スプリンクラーが設置されている店舗をよく見かけると思います。
上記他にもさまざまな消化設備があるので、必要な場合は設置することをおすすめします。

消化設備の他にも、火災の発生を通報するための警報設備があります。
建物内に設置する必要があるのは、感知・警報・通報の設備です。

・自動火災報知設備

火災による発生した熱や煙、炎を火災初期段階で感知し、建物内に居る人々に警報を発して知らせる設備です。

・ガス漏れ火災警報設備

燃料用ガスが何らかの原因により漏洩した場合、ガス漏れをいち早く検知して警報を発して建物内に居る人々に知らせる設備です。

・漏電火災警報器

漏電を感知し警報を発します。これにより漏電による火災を防ぎます。

このように、消化設備の他にも警報設備といったお客様の安全を守る設備も欠かせません。

■まとめ

飲食店の開業には店舗選びや内装設計の大切ですが、
それ以上にスタッフやお客様の安全を確保するための設備も大切です。
消防法をしっかりと理解し、それに基づいた防災設備を設置するようにしましょう。
また、設置した防災設備は定期的にきちんと点検をするようにしましょう。
お客さまが安心して飲食できる店内であること、そしてスタッフが安全に働ける環境を整えるよう心掛けることが大切です。